ミカエル祭
9月26日にミカエル祭がおこなわれました。ミカエル祭は「困難に耐えること」を人間に教えてくれる行事です。
現代は物質が豊かで、人間は地上の様々なものに誘惑され、意識が楽な方へと流されてしまいます。
聖ミカエルは、人間を誘惑する力(ミカエル祭では竜で象徴されます。)をやりでつき殺し、人間の意識を再び天上と結び付けてくれる存在です。
しかし、その困難に耐えるには、人間にも愛と勇気(赤色で象徴されます。)が必要です。それがあって初めて聖ミカエルは、人間に力を貸すことができるのです。
ミカエル祭は、これらのことを再び私たちに思い起こさせてくれ、困難に立ち向かっていく力を与えてくれます。
お話 「炎の中に閉じ込められた王女様」
この日まで3週間、子どもたちはライゲンやお話を通して、ミカエル祭までの道を辿っていきます。
今回のお話は「炎の中に閉じ込められた王女様」というお話でした。
ある村に一人の男の子が生まれました。
この子の父親は、街道の道端にすわって、最初に通りかかった立派な人に、名付け親として頼もうとしました。
するとそこへ、灰色のマントを着た老人がやってきて、父親の頼みを喜んで引き受けてくれました。
老人は坊やの洗礼を手助けしてくれ、父親に子牛のある母さん牛を贈りました。この子牛は、坊やと同じ日に生まれ、額には金の星が付いていました。
坊やが成長すると、この子牛もたくましい雄牛になりました。
―略―
ある日、雄牛は少年に言いました。「さあ、私の二つの角の間にすわりなさい。お前を王様のところに連れて行ってあげよう。王様のところへ行ったら、七エレの長さの鉄の刀を下さいと言いなさい。そして、王女様を助けてあげるのだ、と言うのです。」
やがて彼らは王様のお城に行き、王様から刀をもらいました。
王女様をさらっていったのは、遠い遠い所に住む十二の頭をもった竜でした。そこに近付いたものは誰もいませんでした。というのも、竜の住む城に行く途中には、越えることのできない山脈があり、その次には荒れ狂った広い海があり、その向こうの炎の城に、竜は住んでいたからです。
少年は、刀を手にすると、雄牛の角の間にすわりました。そしてあっという間に巨大な山のふもとにやってきました。
「これじゃ引き返すしかないな。」と少年は雄牛にいました。なぜなら、少年はこの山を越えていくことは不可能だからと考えたからです。」
ところが、雄牛は言いました。「ちょっと待っていなさい。」
そして少年を地面に下ろすや否や、雄牛は突進をはじめ、強力な角で山全体を脇に押しのけてしまいました。そうして二人は、さらに進んでいくことができました。
少年と雄牛はやがて、海辺にやってきました。
「今度こそ引き返すしかないな。」と少年は言いました。「これじゃ、誰だって向こうへ渡れないよ!」
「ちょっと待っていなさい。」 と雄牛は言いました。「私の角にしっかりとつかまっていなさい。」そう言うと雄牛は水に頭をつけて、海全体をガブガブ飲んでしまいました。そうして二人は、草原の上を歩いて行くように、乾いた足でさらに進んで行きました。
やがて二人は、炎の城に到着しました。すると、はるか遠くから、少年がもはや我慢できないほどの真っ赤な炎が向かってきました。
「もうこれ以上、進めないよ。さもなければ僕たちがやけどしてしまうよ。」
しかし、雄牛は、そばまで走り寄って、飲んだ海水を一気に炎に向かって吐きだしました。すると炎はすぐに消え、すごい勢いでもうもうと煙が立ち込めました。
すると、ものすごい湯気の中から、怒り狂った十二の頭をもつ竜が転がり出てきました。
「さあ、今度は、あなたの番です。」と雄牛は言いました。「この怪物の頭を全部一度に切り落とすようにやってみなさい!」
少年は、全力を集中して、強力な刀を手につかみ、十二の頭が全部とび落ちるように怪物に素早い一撃を加えました。
すると、怪物はうち倒され、地響きを立てて、地面の上に、とぐろをまいてしまいました。そこで、雄牛は、竜の胴体を角に引っ掛けて、はるか雲の彼方に投げとばし、竜の姿は跡形もなく見えなくなりました。
それから雄牛は少年に言いました。「私の仕事はこれで終わりました。さあ、お城の中に行きなさい。王女様が見つかるでしょう。王女様を王様の所へ連れ戻してあげなさい!」
そう言うや雄牛は、空の牧場目指して走って行き、少年はもう二度と雄牛の姿を見ることがありませんでした。
それから少年は、城の中で王女様を見つけ出しました。王女様はいやな竜から救い出されたことを、とても喜びました。
二人は王様のところへ帰り、二人の結婚式が行われました。国中が大変な喜びに包まれました。
おやつにはりんごケーキを・・・
この日のおやつは、りんごケーキでした。子どもたちはリンゴを磨いたり、材料をかき混ぜたりと、お手伝いをしました。
テーブルには黄色いテーブルクロスを引きました。一人ひとりの席には、ピカピカのリンゴが添えられました。
真っ赤なリンゴはこの日のお土産で、みんなお家に持って帰りました。
2008/11/17 08:00 |
こどもの園
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